印刷業界におけるサステナビリティへの取り組みが大きく前進している。日本印刷産業連合会の調査によると、2025年10月時点で環境配慮型インク(バイオマスインク、植物油インク等)の使用比率が市場全体の40%に達し、前年比15ポイント増となった。この背景には、大手印刷会社による積極的な設備投資と、顧客企業からの環境配慮要求の高まりがある。特に大日本印刷(DNP)と凸版印刷は、2025年度中に主要工場での使用インクを100%環境配慮型に切り替える計画を発表。また、印刷工程での電力使用量削減にも注力しており、LED-UV印刷機の導入により従来比で消費電力を50%削減することに成功した事例も報告されている。さらに、デジタル印刷技術の進化により、小ロット印刷での廃棄物削減も実現。オンデマンド印刷の普及により、在庫リスクを抱える必要がなくなり、過剰生産による廃棄を大幅に削減できるようになった。業界団体では、2030年までに業界全体でカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており、再生可能エネルギーの活用、印刷プロセスの最適化、リサイクルシステムの構築などを推進している。今後は中小印刷会社への技術支援も強化し、業界全体での環境対応力向上を目指す。
印刷業界、カーボンニュートラル実現へ新技術導入加速 環境配慮型インクが市場の40%に
- 記事提供
- 産経新聞
- 公開日
- 2025-10-31
- 元記事URL
- https://www.sankei.com/