生成AI活用で出版業界の編集作業が30%効率化、大手出版3社が共同実証実験を完了

生成AI活用で出版業界の編集作業が30%効率化、大手出版3社が共同実証実験を完了

大手出版社3社(講談社、集英社、小学館)は10月31日、生成AIを活用した編集作業の効率化に関する共同実証実験の結果を発表した。実験期間は2025年7月から10月までの4ヶ月間で、校正作業の自動化、表紙デザイン案の自動生成、マーケティング文章の作成支援などを実施。その結果、従来の編集作業と比較して平均30%の時間短縮を達成した。特に校正作業では誤字脱字の検出精度が95%以上に達し、人間の編集者による最終チェックと組み合わせることで、より高品質な出版物の制作が可能になったという。また、表紙デザイン案の自動生成では、過去のベストセラー書籍のデザイン傾向を学習したAIが、ターゲット読者層に合わせた複数のデザイン案を数分で提示。デザイナーの創造的な作業時間を確保できるようになった。さらに、書籍の帯文やオンライン書店向けの紹介文についても、AIが本文の内容を解析して魅力的なコピーを自動生成。マーケティング担当者の負担を大幅に軽減した。3社は今後、この技術を段階的に本格導入し、2026年春までに全編集部門での運用開始を目指す。業界全体としても、中小出版社向けにこの技術のライセンス提供を検討しており、出版業界全体のDX推進に貢献する方針だ。

記事提供
日本経済新聞
公開日
2025-10-31
元記事URL
https://www.nikkei.com/
← ニュース一覧に戻る